長命草について

長命草(サクナ・ボタンボウフウ)とは

長命草(サクナ・ボタンボウフウ)

長命草(サクナ・ボタンボウフウ)は海岸の断崖や沖縄県特有の珊瑚石灰岩でできた岩場など、厳しい自然条件の中で自生する常緑多年草で、濃い肉厚の緑の葉を繁茂させます。沖縄県内の野菜の中でも生命力に優れた植物の一つです。
葉がボタンに似ていることから、和名をボタンボウフウといい、根を薬用人参にしていた時代もありました。
沖縄では「1株食べると1日長生きする」として長命草(チョーミーグサ)と呼び、古くから煎じて飲んだり、食材、野菜として活用されてきました。独特の苦味と香りが肉や魚などの臭みを消したり毒消しの効果もあり、山羊汁や刺身のつま等にも利用されています。

長命草には一般的に栄養価が高い「ホウレンソウ」を上回るビタミンA,B2,C,E・カロチンが含まれることが分かっています。


※「琉球新報」長命草に抗肥満成分 琉大の屋教授発見 県民の健康増進期待(2014年3月21日)

※「琉球新報」長命草についての新聞記事(2005年9月29日)

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◆引用:『琉球新報』 2014年3月21日
「長命草に抗肥満成分 琉大の屋教授発見 県民の健康増進 期待」 http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-221798-storytopic-7.html
琉球大学熱帯生物圏研究センターの屋宏典(おくひろすけ)教授らはこのほど、沖縄で伝統的に野菜や薬草として食べられる長命草(ボタンボウフウ)に抗肥満物質が含まれていることを発見した。長命草に抗肥満効果があることは知られているが、その効果を科学的に証明した。研究結果は、オランダの国際学術誌「ニュートリション」電子版に掲載された。
屋教授らは2006年度に研究を開始。マウス(実験用ネズミ)に長命草を与えると体重が減ることを確認した。さらに長命草の抽出液を培養細胞に混ぜて反応を調べる実験を続けた。研究を始めて8年が過ぎた13年末、抗肥満効果が化合物「プテリキシン」にあることを突き止めた。
プテリキシンは脂肪細胞や肝臓細胞で中性脂肪が合成されるのを抑える一方で、筋肉細胞では脂肪を燃やし、体脂肪を蓄えにくくする。
長命草には抗肥満成分といわれるクロロゲン酸も含まれているが、プテリキシンの抗肥満作用はクロロゲン酸よりも強いことも明らかにした。また、南の地域で生産される長命草ほど成分濃度が高いことも分かった。
屋教授は「抗肥満成分の作用をうまく利用することで、県民の健康増進に結び付けることができる。同時に、地産地消で地元の健康食品製造の活性化にもつながる」と期待感を示している。

◆引用:『琉球新報』 2005年9月29日
「新たな健康素材・大いに商品化するべきだ」
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-6967-storytopic-11.html
長命草(方言名・サクナ)や雑草として扱われてきたビデンス・ピローサ(同ムツウサ)を使って「健康」をキーワードに開発された商品を、新たな沖縄の特産品として全国展開を目指す取り組みが進んでいる。
 健康志向が高まる中、ウコンやもろみ酢などが全国的な人気を集めている。それらに続く商品の販路が県外に拡大されれば、県経済の発展だけでなく、沖縄のイメージアップにもつながる。新たな素材を活用し、さらに商品開発を進めてほしい。
 長命草、ムツウサとも厳しい自然条件の中で生育する。そのたくましい生命力に注目して産官学で研究し、お茶や栄養補助食品として商品化された。産官学連携の手本と言えよう。
 琉大チームは大腸がんの研究で、長命草が発がん抑制に効果があることを突き止め、2003年の日本癌(がん)学会で発表した。
 それに宜野湾市の企業が注目して、共同でさらに研究を進め、抗酸化作用、抗炎症作用があるとの実験結果が得られたことから商品化された。
 研究機関、そして商品化した企業とも県内にあり、沖縄の研究力、商品化力の大きな成果として評価したい。
 ムツウサは、城辺町が東京や大阪の企業と連携し、全国7大学などの協力で1996年から研究を始めた。星薬科大学の研究で宮古産のムツウサに血糖値の上昇を抑制する効果があることが分かり、02年の日本薬学会で発表された。
 ムツウサは、食糧難の時代には食べられてもいたものの、これまでは雑草としてしか扱われてこなかった。それが有用植物の仲間入りを果たしたことになる。
 まだまだ活用できる植物が県内にはあるだろう。それを生かさない手はない。
 昨今、さまざまな食材が「健康にいい」などとの触れ込みで販売されている。食材のどの成分が効果を持つのか、副作用はあるのかなどの検証も必要だ。
 長命草、ムツウサのように、研究による健康効果の裏付けが販路拡大の鍵を握る。

沖縄の伝統野菜 長命草(サクナ・ボタンボウフウ)

沖縄県産長命草のお茶 命々茶(めいめいちゃ)

沖縄県は温暖な気候や暮らしやすい環境、沖縄独特の伝統的な食文化などから、「長寿の島」として広く注目されています。
沖縄では昔から食べ物を「ぬちぐすい」と言い、医食同源の考えがあります。
沖縄の伝統的な食文化は長寿の源として代々受け継がれ、近年栄養学的に高く評価されるようになり、研究により栄養成分等が科学的に実証されてきました。

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